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2001年05月11日
株式会社企画屋

■「ゴミ」なのか、それとも「情報」なのか?  し烈極めるスパムメール攻防戦

2001年5月11日 --- [毎日新聞WEB]

 頼んだ覚えもないのに送られてくるダイレクトメール。妙に親しげなアンケートメール。いわゆる「スパムメール」が迷惑だな、と思った経験は誰にでもあるだろう。どうやってメールアドレスを調べたのか、気味が悪くなることもある。スパムメールでも、受信するのにはコスト(接続料)がかかる。多くの利用者の反発は、インターネット上での「スパムメール反対」運動や、スパムメールを排除するメールサービスなどに結びついている。ところがこの問題、調べていくと、「何が情報で何がゴミか」という、なかなか奥が深く定義しにくいテーマが絡まってくるのだ。あなたにとってスパムとは何ですか? スパム対策、していますか?

■なぜspamというのか  

  こちらが頼んだ覚えもないのに送られてくる商品紹介のダイレクトメールや、アダルトサイトなどを宣伝するメール、自分が望んでもいないのに送りつけられるメールを「スパム(spam)メール」という。「SPAM」というのは米国ではポピュラーなハムの缶詰のことだ。これが「不要なメール」を表すスラングの語源になったのは、英国のコメディグループ、モンティパイソンの番組の中で、「スパム、スパム!」と叫び続けて、なにを言っても通用しないというコントに使われたからだそうだ。

 悪いイメージのスラングとして商標を使われるのは、普通の企業なら嫌がるものだが、スパムを作っているメーカー、Hormel社は公式ウェブサイトの中でインターネット・スラングとしての「スパム」の意味を解説し、「スパムメールを指す時には、小文字の『spam』を使ってくれ」としている。とりもなおさず、それは、米国をはじめとするインターネット利用者の間で、「スパムメール」という言葉が一定の市民権を得てしまっていることを示している。

 確かに「勝手に送りつけられた宣伝メールを受信するためにコスト(通信費)を払う」のは馬鹿げている。あるスパム反対ウェブサイトでは「普通の生活では、ダイレクトメールが着払いで送られてきたら受け取らないし、宣伝や勧誘の電話がコレクトコールでかかってきたら出ない。しかし、電子メールは読んでみるまでわからないから結局コストを負担してしまう」と、激しくスパムメールを攻撃している。

 個人的に不愉快とか、コストがかかるという問題だけではない。スパムメールはネットワークやサーバーに負荷をかけるという悪影響がある。不要なメールが増えれば、メールボックスが溢れて、必要なメールを受け取れなくなる可能性もある。おまけに、スパムメールによる広告は受信者の反感を招くことから、今ではちょっとインターネットを理解している企業なら広告手段として採用することはまずない。その結果、スパムメールの宣伝内容はマルチまがい商法の勧誘や、非合法の可能性もあるような商品の販売が多くなり、ますます反発が強まる。

 スパムメールに不快感を感じ、スパムメール撲滅を考える人たちは、インターネットの中でウェブサイトを作ったりメーリングリストに参加して、スパムメールを送りつけてくる事業者やインターネット接続プロバイダー(ISP)と日々『戦って』いる。本当にそれは戦い、と表現するしかないものなのだ。

■ビジネスかスパムか

  熱心にスパム反対運動を行っている人のウェブサイトでは、スパムメールを「勧誘や宣伝、ねずみ講、アダルトサイトなど不要な情報を送りつけてくる電子メール」と定義。そうしたメールを集めてヘッダーごと公開しているほか、それぞれのメールの送信者が利用したISPに抗議した経過もすべて公表している。また、別のサイトでは、1日3通のスパムメールを受け取ってしまった場合のコストは、NTTのISDN・テレホーダイを利用した場合で年間約250円、と試算している。対策を練るために、似たような活動を行っているウェブサイト同士で情報を交換したり、スパムメールを送ってくる業者のアドレスをデータベース化してもいる。

 また、欧米でも「ORBS」や「MAPS」というウェブサイトで、スパムメールを送ってくるサーバーのIPアドレスを登録、公開している。こうしたデータベースを使い、サーバーレベルやメールソフトレベルで、スパムメールの受け取り拒否を行うことができる。

 設定は簡単だ。メールソフトには必ず、「メールをフォルダに振り分ける」機能がある。そこで、差出人のアドレスを指定し、振り分けるフォルダを「ごみ箱」にしてやればいい。しかし「これは根本的な解決にはならない」と、「スパム撲滅派」の多くは指摘する。スパムメールを見る不快感からは開放されても、相変わらず不要なメールを、自分のコスト負担で、メールサーバーから取ってきていることに変わりはないからだ。

■新しい問題

  しかし、インターネットを利用するのは、「スパムはいけない」と思っている良心的な人ばかりではない。確信犯の業者は、最近、「メールの第三者中継 (Third-PartyMail Relay)」を行うようになってきており、他人のメールサーバーを不正使用することで、さらにネットワークに負担をかけている。

 第三者中継というのは、送信者も受信者も関係ない、セキュリティの甘いサーバーを送信側がこっそり利用することだ。大量のスパムメールをばらまいたり、受信者がせっせと設定した受信拒否をかいくぐるために行われる。サーバーや回線を不当に使用されるわけだから、通常のメールが遅れたり、外部との通信が遅くなるという被害も出る。なにより、スパムメールの「発信元」として、メールのヘッダに無関係なサーバーが記録されてしまうので、受信者からの苦情が寄せられることにもなりかねない。自分は無関係なのに、「ORBS」にサーバーが登録されてしまい、ビジネスの相手先からメールの受信を拒否されるという事態もおきるのである。ネットワークサービスなどを提供している長崎ネットワークサービス(長崎県諌早市)によると、サーバーの管理者がきちんとした手当てをして、こうした不正使用に対応しなければならないという。

 ここで不思議に思うのは、なぜ自分に不要な情報がそれほどひんぱんに送られてくるのかということだ。スパムメールはここにも問題がある。たとえば、いろいろな人が集まる電子掲示板にメールアドレスを書いたり、自分が作ったウェブサイトに連絡先としてメールアドレスを掲示しておくと、これらを見て業者がメールアドレスを集めていくことがあるのだという。

 インターネット関連事業を行うハートコンピュータ(東京都千代田区)によると、最近は、今までに全くインターネットをやったこともない会社に、ネット導入の営業攻勢があるという。そのときの殺し文句。「ダイレクトメールだと印刷代とか切手代とかお金がかかるけれどもインターネットならタダで同じことができますよ。しかも何万件も同時に送れます」。

 ダイレクトメールは差し出し人が切手代を負担するし、手紙を見ただけで不要とわかればゴミ箱に直行させられる。しかし電子メールは読んでみないと内容がわからない。仕事用のメールアドレスなら業務に支障が出る。ハートコンピュータでは「ダイレクトメールを送っていいのは、あらかじめホームページなどでニュース配送を希望する人を募り、その人だけに発送するというケースだけ」という。それ以外の電子メールを使った営業活動は、すべてスパム、という厳しい見方があることを企業は知っておくべきだろう。

■新しいサービスは

  「パブリック・メール・シュレッダー・サービス」。これは企画屋(横浜市)が4月から始めている個人向けのメール転送サービス、「CLUB BBQ(クラブバーベキュー)」のキャッチフレーズだ。メールの転送サービスやフリーアドレスサービスは当たり前だが、BBQのサービスでは、自分のアドレスにメールを転送させるだけでなく、迷惑メールを排除したり、特定のメールだけを受け取ったりできる多機能さを売り物にしている。もちろん、全てのサービスは無料で、企画屋からのメールやアンケートに答えることが、利用者の唯一の義務になっている。

 企画屋の松本仁美取締役は、「迷惑メールを受信前にカットするという機能は、今後のインターネット利用に不可欠」と指摘する。日本ではi-modeなど、携帯電話による電子メールの利用も多い。携帯電話による電子メールの閲覧は1通当たりのコストがかかり、画面も小さいのでメールマガジンの広告1つとっても閲覧の妨げになりやすいのだという。

 同社のBBQサービスではこうした不要なメールや広告を、サーバーに着信した時点で、受信者自らが自動削除するよう設定できる。「ゲートキーパー」サービスがそれだ。サーバーに迷惑メールのアドレスを登録しておけば、そのアドレスから送られてきたメールは転送されてこない。逆に、特定アドレスから送られてきたメールのみを転送するよ、設定することもできる。また「スパムカッター」サービスではメールマガジンの特定の行のみカットして受信するといった設定もできる。こうした指定はすべてウェブからできるので自分のメールソフトの設定を変える必要はほとんどない。ただし、受け取り拒否の設定は自分でしなければならないので、1度はスパムメールを受け取らざるを得ない。

 松本取締役によると、すでにBBQサービスの利用者は25万人おり、年末までには1000万人の登録者を見込んでいるという。

 ハートコンピュータも7月から、企業や個人向けに「スパムフィルタ付メールサービス」を提供する予定だ。排除リストを同社が用意、排除の結果はウェブからチェックすることができる。1アカウントのメールサービスからサーバー全般まで、状況に応じたメニューを用意している。

■根本的な問題も

  では、多くの人がこうした地道な活動を支持して新しいサービスを利用し、サーバー管理者もセキュリティ向上に努めれば、問題は解決するのだろうか。

 実はそう簡単ではない。企画屋の松本取締役は「スパムメールとはいうが、ある人にはスパムでもある人には必要な情報という場合はある。一概に取り除くというサービスはしにくい」と話す。テレコムサービス協会の「インターネット自己防衛マニュアル」を見ても、スパムメールには事前予防対策はなく、とりあえずヘッダを保存してISPに送れ、と簡単に記されているだけだ。

 もっと根本的な意識の差もある。一日に200通のメールを受け取る人と、3通のメールを受け取る人ではスパムメールに対する不快感にも差が出る。「アダルトサイトの宣伝は不愉快だが、懸賞応募の宣伝メールは必要だ」という人がいる。その逆の考えをする人もいる。「問題は、自分に必要なメールだけを受け取れない、今の電子メールシステムにある」と指摘するスパム撲滅運動家もいる。

 問題を違う角度からみると、自分の住所や電話番号に等しいメールアドレスが、いとも簡単に見知らぬ業者の手に渡ってしまうという点にも、改革の余地はありそうだ。スパムメールを受け取りたくない人のためのサービスや運動は、今後、さらに拡大していくことは疑問の余地がない。





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